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2006年6月24日 (土)

マンショントラブル解決方法-まとめ その1-

マンション内のルールは、法律に反しない限りそこに居住する人たちが幸せになることを一番の目的とすべきである。現状の運営でうまくいっていると考えているマンションは、少々よくなくても現体制のままで問題ないし、改めて考える必要はなかろう。

ただ、問題が生じた時に今まで書いてきたことを参考に適切な対応を行っていけばよいと思う。しかし、既に理事の暴走で対応が不能になり、運営がうまくいっていないマンションでは、いままで書いてきた対応すら出来ない時もあろう。

マンションでの諸問題を解決していくには、現状行政が考えている、また皆がよくあるべき論で訴えている「皆が参加し、考える体制作り」や、「居住者の参加での組合活動」でなく、『理事のマネージング能力』を高めることが大きな課題であると思う。

理事には、管理組合内部での「問題発生時の合意形成能力」や、管理組合内外との「交渉能力」が必要

マンション管理組合運営は、予算規模、人員規模から考え、企業運営と同様の能力を要すことは明らかである。利益は目標にしていないが、費用を最小限に留める努力を要する点を考えれば類似する部分が多い。

マンション居住者に無関心層が増える中、過大なサービスを提供するマンションも現れてきている現状では、「標準管理委託契約」や「標準管理規約」に基づく単一的なマンション管理方法でよいのだろうかと疑問を感じている。

現在のマンション管理方法は、言ってみれば議院内閣制-企業としては、旧来の内部昇格の日本式取締役会と監査役方式-、今、日本ではマンション管理は全員参加型を求めているが、適任者がいないかもしれないメンバーで本当に良い管理が行えるのだろうか!

それより、現に対応できていないマンションには、区分所有法の原点に返る「管理者による管理とチェック体制」(大統領制+議会制、企業的に言えば、取締役会と執行者の分離)への移行の提案がなされるべきではないか。

これは、プロの運営(行政・会計の監視・・マンション管理士、会計士の導入)+監視する管理組合の手法導入[1]となる。管理者方式は前章の海外の事例を見た限りでは、これは決して唯一の解とは言えないが、最悪の状態<維持管理不能>は防げると思われる。.....次回へ続く。


[1] 現実に横浜市では小規模マンションの課題に対応としているが、管理者を外部から招く案を規約案と共に提供を行っている。

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2006年6月17日 (土)

海外での管理体制と日本との比較 の続き

前回に続き、最後にドイツの制度である。

(1)  ドイツの管理制度[1]

 ドイツも管理者制度を採っている。フランスと違い管理者に資格要件はない。実施には管理業者選任されることが多い。任期は5年を越えられないが、解任も重大な事由がなければならない。理事会はないが、管理者の業務を補佐し、監査する「管理顧問会」を住居所有権者の多数決で設置することが可能である。また、ドイツで特殊なのは管理組合に該当する団体がないことである。

上記の関係を表にまとめると以下の通りになる。

  日本 アメリカ ドイツ フランス
区分所有者の団体 当然成立。法人格可。 文章登録で成立。法人格可。 なし。法人格なし。 当然成立。法人格可。
規約 定めること可(実態はほとんどある) 「宣言」を郡に登録。ほかに規約、細則 規約(登記) 規約(不動産票に公示)
集会 開くこと可(実際はほとんど開催) 開く 開く 開く
理事会 法律では定められていないが、実態はほとんどある
<執行機関>
ある
<執行機関>
監査機関として管理顧問会がある。 監査機関として管理委員会がある。
管理者 定めること可。 なし <執行機関>
設置は義務。
<執行機関>
設置は義務。
齊藤広子著 ステップアップで学ぶマンション管理からの抜粋

(2)    4国間の比較について

 まず、上記の表にある理事会[2]であるが、区分としては「理事会」と表現しているが、機能としては<執行機関>としての理事会と<監査機関>としての理事会がある。フランスやドイツの管理者がいる国では、「理事会」は監査機関として、管理者がいないアメリカでは「理事会」が執行機関となっている。一方、日本では理事会も管理者も執行機関で、法律上は管理者が執行機関、規約上は理事会が執行機関となっている。また、監査機関としては、規約では監事が置かれることが普通である。

  日本 アメリカ ドイツ フランス
執行機関 法律上は、管理者。
規約上は理事会が一般的。
理事会(Board)
役員(Officer)
管理者 管理者
監査機関 監事 なし 管理顧問会 管理委員会

アメリカには監査機関がないのはアメリカの会社組織と重ねて考えると、理事会が監査機能も兼ね備え、役員(Officer)が実際の執行機関になっているのではないかと推測される。前述のマンション学会の報告(花房)でも「理事会は管理責任があると同時に強力な権限が与えられ、一定の免責ルールもある。」とされている。それに対して日本の管理者、理事会、監事は日本の会社組織にあてはめると、社長、取締役会、監査役が意識されていると思われる。一方、ドイツは、会社組織でも他の国と比較して監査役会の権限が強いので、このような体制になっていると推測される。つまり、それぞれの国の実情にあった管理運営体制になっているのであろう。

 そして、「理事会」への参加者が少ないのは各国共通した問題となっているようである。


[1]鎌野 邦樹:ドイツ法の管理組織と管理 日本マンション学会誌 第13号 2002年4月25日 P64-P65
[2] ここではドイツの管理顧問会、フランスの管理委員会等も理事会と表す。

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2006年6月10日 (土)

海外での管理体制と日本との比較

日本でのマンション管理が海外での体制とどう違うかをまとめてみます。

海外のマンション管理手法としては大きく別けると2パターンがあります。一つは日本の実態と同じ管理組合―理事会制度と日本の区分所有法に則った管理者制度となる。前者の例としてはアメリカ、後者の例としてはドイツ・フランスが上げられます。

まず、理事会機能と管理者機能について理事会制度をとっているアメリカについて簡単に説明します。

()  アメリカの管理制度 [1]

 米国では、日本のマンションは「コンドミニアム」と言われています。実際管理の制度は日本の理事会制度を利用しているが、日本とは違い管理者方式を使っていないため、管理者選任規定はないようです。
理事会は、Board(会社組織に於ける取締役会と同意語)、理事はDirecter(「取締役」と同義語)と言われる。また、業務を執行するものとして役員(Officer)を決めることが出来る。これも会社組織の執行役員(CEO、CFO等)と同じように作られていると考えられる。
運営のイメージは、会社組織に則ったものを考えれば良いと思われる。また、コンドミニアム法では自主管理が原則となっており、外部に委任するときには規約に規定する必要がある。

() フランスの管理制度 [2]

フランスではいわゆる管理者制度を採っている。任期は三年で再任は可能。
よって、日本の区分所有法と同じように管理者設置が義務付けられており、管理者がいない場合は裁判所によって任命される。管理者は、イコール「区分所有建物を管理する執行機関」である。つまり、日本の管理規約で決められた「理事会」の役割を果たすことになる。
また、管理者は区分所有者から選任されることもあるが、管理業者が選任されることが多い。管理業者になるには資格、一定の学位が必要で、保証金を積む必要がある。理事会は監査機関として設置され、管理者を支援する。理事会については管理者の管理業務補佐、監督する機関として設置されることになるが、置かないことも可能である。


注1)花房 博文:アメリカ法の管理組織と管理 日本マンション学会誌 第13号 2002年4月25日 P68-P69を参照しております。

注2)舟橋 哲:フランス法の管理組織と管理 日本マンション学会誌 第13号 2002年4月25日 P66-P67を参照しております。

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2006年6月 3日 (土)

マンション管理運営フロー「理事会メンバーが集まらない場合の召集プロセス」

このプロセスは、理事会は存在しているが、マナートラブル解決以前に正常な活動を行なう状態になっていない場合―理事会が正常に活動できないとは、理事会が活動しようにも決議が出来ない場合(過半以上が常には参加できない状態)―を想定しています。
本当は最初にこれを説明すべきだったのかもしれません 具体的なフローはこちらを。

この状態になる理事会は、役員選定方法が「輪番制」、「抽選制」をとっている場合が多いです。

まず、やることは、

①理事会開催日時を明確にし

②必ず2時間で閉会を約束する、ことです。

の具体策は、計画を立てやすいように理事会開催日(毎月第X曜日のX時)を決めます②は時間が長くなった場合は、議案の打ち切りを行い、必ず予定通り終わらせることです。参加者はこれで、予定が立て易くなり負担感が減ります。


 理事会に参加してもらわないと、管理組合がまともな活動が出来ないは当たり前です。しかし、集まらないからと言って焦って、管理規約上の理事会成立要件を満たさないのに、理事会決議をするのは「理事会の暴走」です。

理事会は成立させることが肝心で、まず理事メンバーにそのことを訴えるところから始めましょう。

参加できない人には参加でない(したくない)理由があり、まずそれを知ることが重要です。欠席を責めることは、問題を複雑にするだけです。必ず相手の顔を見て、お願いする姿勢を忘れずにすることが大切です。また、欠席した人には議事録を配布して、決議・報告事項の情報を共有化しましょう。

このプロセスを使用しても参加不能者が多い場合は、規約に理事の定義の変更(所有者本人のみの部分)となります。

これらをやっても解決できない場合は、最後はマンション外部からの招聘を検討すべき段階となります。

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