2006年7月 8日 (土)

マンショントラブル解決方法-まとめ その2-

(前回に続く・・)

具体的には、管理会社と特定の関係がなく、専門的な知識を持った人をマンションの管理者(つまり理事長)として、報酬を払って雇う。

管理者には、① 管理会社が作成する会計案② 管理会社が実施する業務の管理 も行ってもらい、理事会は彼が不正なく業務を遂行しているかを確認(いわゆる監査として役割に徹する)するのに留める。

また、一方管理会社には、管理者の能力確認をしてもらい、管理者・管理会社・理事会の三権分立状態(「イメージ図」とし、不正防止とする。

注)ただ、牽制権限の観点から書きますと、管理者は理事会メンバーの解任権限(総会提案)はありますが、管理会社にはないので、完全な三権分立にはならないでしょう。管理会社は所詮雇われておりますので、完全な三権分立には無理があるのは止むを得ないと思います。

管理者には、現状の「マンションの問題点を洗い出し」や起きている「トラブルの対応」をしてもらいながら、理事会に(規約等に準拠した)対応策を提案、理事会はそれが自己のマンションで適切な方法であるかを「居住者の代表」の立場で考える。

この方式であれば、理事に専門知識は必要なく、自分たちにとって最善の方法を選ぶだけでよい。

この場合、理事会が機能していなくても、管理者が総会に直接議案を提出する方法もあり、業務遂行が滞ることもない。また、管理者が不適当な場合は、すぐさま総会決議で解任しても理事会メンバーいるかぎり、管理者の代理は出来、管理組合活動がとまることも無くなる。

今、どんなマンションにも居住者に参加を強いるマンション管理方法には、個人的には限界が来ていると思っています。

せっかく、マンション管理士制度が出来たのに十分活用できていないのではないか。

確かに、マンションは購入者が自分達で守るのがベストではあるが、それが画一的である必要はなく色々な方法があってよいと思われる。

また、マンション管理費を削減を提案してその減少額の一部を成功報酬としてもらうビジネスが増えている。管理費が下がることは、管理組合に取って最大の喜びであろう。

成功報酬を払って管理費を削減することが悪いわけではないが、契約水準を下げて、それがどのようなリスクにつながるのかを認識出来ないまま、管理費を削減してよいのかは筆者は疑問に感じている。

管理費削減ビジネスの成功報酬式は、出来るだけ削減することが多額な報酬を得ることにつながる。本当にマンション居住者にその契約が適しているのかを見極める必要があろう。

---「マンショントラブル解決方法」については、今回が最終回です。---

今後は、トピックを見つけてマンションコラムに色々な提案を掲載していきます。

この「マンショントラブル解決方法」は200312月に筆者が修士論文で書いたものをベースに、若干の手直しをしたものであります。

このBlogの独自の見解部分については著作権を考慮していただくことを了解された上で、実践されることは自由と致しますが、利用される場合には本サイトのアドレスを記載、メール・コメント等でご連絡していただけるようにお願いいたします

具体的なご利用方法について詳細を聞きたい方はコメント、またはメールにてお受けします。どうぞお気軽に!

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2006年6月24日 (土)

マンショントラブル解決方法-まとめ その1-

マンション内のルールは、法律に反しない限りそこに居住する人たちが幸せになることを一番の目的とすべきである。現状の運営でうまくいっていると考えているマンションは、少々よくなくても現体制のままで問題ないし、改めて考える必要はなかろう。

ただ、問題が生じた時に今まで書いてきたことを参考に適切な対応を行っていけばよいと思う。しかし、既に理事の暴走で対応が不能になり、運営がうまくいっていないマンションでは、いままで書いてきた対応すら出来ない時もあろう。

マンションでの諸問題を解決していくには、現状行政が考えている、また皆がよくあるべき論で訴えている「皆が参加し、考える体制作り」や、「居住者の参加での組合活動」でなく、『理事のマネージング能力』を高めることが大きな課題であると思う。

理事には、管理組合内部での「問題発生時の合意形成能力」や、管理組合内外との「交渉能力」が必要

マンション管理組合運営は、予算規模、人員規模から考え、企業運営と同様の能力を要すことは明らかである。利益は目標にしていないが、費用を最小限に留める努力を要する点を考えれば類似する部分が多い。

マンション居住者に無関心層が増える中、過大なサービスを提供するマンションも現れてきている現状では、「標準管理委託契約」や「標準管理規約」に基づく単一的なマンション管理方法でよいのだろうかと疑問を感じている。

現在のマンション管理方法は、言ってみれば議院内閣制-企業としては、旧来の内部昇格の日本式取締役会と監査役方式-、今、日本ではマンション管理は全員参加型を求めているが、適任者がいないかもしれないメンバーで本当に良い管理が行えるのだろうか!

それより、現に対応できていないマンションには、区分所有法の原点に返る「管理者による管理とチェック体制」(大統領制+議会制、企業的に言えば、取締役会と執行者の分離)への移行の提案がなされるべきではないか。

これは、プロの運営(行政・会計の監視・・マンション管理士、会計士の導入)+監視する管理組合の手法導入[1]となる。管理者方式は前章の海外の事例を見た限りでは、これは決して唯一の解とは言えないが、最悪の状態<維持管理不能>は防げると思われる。.....次回へ続く。


[1] 現実に横浜市では小規模マンションの課題に対応としているが、管理者を外部から招く案を規約案と共に提供を行っている。

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2006年6月17日 (土)

海外での管理体制と日本との比較 の続き

前回に続き、最後にドイツの制度である。

(1)  ドイツの管理制度[1]

 ドイツも管理者制度を採っている。フランスと違い管理者に資格要件はない。実施には管理業者選任されることが多い。任期は5年を越えられないが、解任も重大な事由がなければならない。理事会はないが、管理者の業務を補佐し、監査する「管理顧問会」を住居所有権者の多数決で設置することが可能である。また、ドイツで特殊なのは管理組合に該当する団体がないことである。

上記の関係を表にまとめると以下の通りになる。

  日本 アメリカ ドイツ フランス
区分所有者の団体 当然成立。法人格可。 文章登録で成立。法人格可。 なし。法人格なし。 当然成立。法人格可。
規約 定めること可(実態はほとんどある) 「宣言」を郡に登録。ほかに規約、細則 規約(登記) 規約(不動産票に公示)
集会 開くこと可(実際はほとんど開催) 開く 開く 開く
理事会 法律では定められていないが、実態はほとんどある
<執行機関>
ある
<執行機関>
監査機関として管理顧問会がある。 監査機関として管理委員会がある。
管理者 定めること可。 なし <執行機関>
設置は義務。
<執行機関>
設置は義務。
齊藤広子著 ステップアップで学ぶマンション管理からの抜粋

(2)    4国間の比較について

 まず、上記の表にある理事会[2]であるが、区分としては「理事会」と表現しているが、機能としては<執行機関>としての理事会と<監査機関>としての理事会がある。フランスやドイツの管理者がいる国では、「理事会」は監査機関として、管理者がいないアメリカでは「理事会」が執行機関となっている。一方、日本では理事会も管理者も執行機関で、法律上は管理者が執行機関、規約上は理事会が執行機関となっている。また、監査機関としては、規約では監事が置かれることが普通である。

  日本 アメリカ ドイツ フランス
執行機関 法律上は、管理者。
規約上は理事会が一般的。
理事会(Board)
役員(Officer)
管理者 管理者
監査機関 監事 なし 管理顧問会 管理委員会

アメリカには監査機関がないのはアメリカの会社組織と重ねて考えると、理事会が監査機能も兼ね備え、役員(Officer)が実際の執行機関になっているのではないかと推測される。前述のマンション学会の報告(花房)でも「理事会は管理責任があると同時に強力な権限が与えられ、一定の免責ルールもある。」とされている。それに対して日本の管理者、理事会、監事は日本の会社組織にあてはめると、社長、取締役会、監査役が意識されていると思われる。一方、ドイツは、会社組織でも他の国と比較して監査役会の権限が強いので、このような体制になっていると推測される。つまり、それぞれの国の実情にあった管理運営体制になっているのであろう。

 そして、「理事会」への参加者が少ないのは各国共通した問題となっているようである。


[1]鎌野 邦樹:ドイツ法の管理組織と管理 日本マンション学会誌 第13号 2002年4月25日 P64-P65
[2] ここではドイツの管理顧問会、フランスの管理委員会等も理事会と表す。

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2006年6月10日 (土)

海外での管理体制と日本との比較

日本でのマンション管理が海外での体制とどう違うかをまとめてみます。

海外のマンション管理手法としては大きく別けると2パターンがあります。一つは日本の実態と同じ管理組合―理事会制度と日本の区分所有法に則った管理者制度となる。前者の例としてはアメリカ、後者の例としてはドイツ・フランスが上げられます。

まず、理事会機能と管理者機能について理事会制度をとっているアメリカについて簡単に説明します。

()  アメリカの管理制度 [1]

 米国では、日本のマンションは「コンドミニアム」と言われています。実際管理の制度は日本の理事会制度を利用しているが、日本とは違い管理者方式を使っていないため、管理者選任規定はないようです。
理事会は、Board(会社組織に於ける取締役会と同意語)、理事はDirecter(「取締役」と同義語)と言われる。また、業務を執行するものとして役員(Officer)を決めることが出来る。これも会社組織の執行役員(CEO、CFO等)と同じように作られていると考えられる。
運営のイメージは、会社組織に則ったものを考えれば良いと思われる。また、コンドミニアム法では自主管理が原則となっており、外部に委任するときには規約に規定する必要がある。

() フランスの管理制度 [2]

フランスではいわゆる管理者制度を採っている。任期は三年で再任は可能。
よって、日本の区分所有法と同じように管理者設置が義務付けられており、管理者がいない場合は裁判所によって任命される。管理者は、イコール「区分所有建物を管理する執行機関」である。つまり、日本の管理規約で決められた「理事会」の役割を果たすことになる。
また、管理者は区分所有者から選任されることもあるが、管理業者が選任されることが多い。管理業者になるには資格、一定の学位が必要で、保証金を積む必要がある。理事会は監査機関として設置され、管理者を支援する。理事会については管理者の管理業務補佐、監督する機関として設置されることになるが、置かないことも可能である。


注1)花房 博文:アメリカ法の管理組織と管理 日本マンション学会誌 第13号 2002年4月25日 P68-P69を参照しております。

注2)舟橋 哲:フランス法の管理組織と管理 日本マンション学会誌 第13号 2002年4月25日 P66-P67を参照しております。

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2006年6月 3日 (土)

マンション管理運営フロー「理事会メンバーが集まらない場合の召集プロセス」

このプロセスは、理事会は存在しているが、マナートラブル解決以前に正常な活動を行なう状態になっていない場合―理事会が正常に活動できないとは、理事会が活動しようにも決議が出来ない場合(過半以上が常には参加できない状態)―を想定しています。
本当は最初にこれを説明すべきだったのかもしれません 具体的なフローはこちらを。

この状態になる理事会は、役員選定方法が「輪番制」、「抽選制」をとっている場合が多いです。

まず、やることは、

①理事会開催日時を明確にし

②必ず2時間で閉会を約束する、ことです。

の具体策は、計画を立てやすいように理事会開催日(毎月第X曜日のX時)を決めます②は時間が長くなった場合は、議案の打ち切りを行い、必ず予定通り終わらせることです。参加者はこれで、予定が立て易くなり負担感が減ります。


 理事会に参加してもらわないと、管理組合がまともな活動が出来ないは当たり前です。しかし、集まらないからと言って焦って、管理規約上の理事会成立要件を満たさないのに、理事会決議をするのは「理事会の暴走」です。

理事会は成立させることが肝心で、まず理事メンバーにそのことを訴えるところから始めましょう。

参加できない人には参加でない(したくない)理由があり、まずそれを知ることが重要です。欠席を責めることは、問題を複雑にするだけです。必ず相手の顔を見て、お願いする姿勢を忘れずにすることが大切です。また、欠席した人には議事録を配布して、決議・報告事項の情報を共有化しましょう。

このプロセスを使用しても参加不能者が多い場合は、規約に理事の定義の変更(所有者本人のみの部分)となります。

これらをやっても解決できない場合は、最後はマンション外部からの招聘を検討すべき段階となります。

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2006年5月27日 (土)

マンション管理フロー「リーダーシップ抑制補完プロセス」

今回は執行機関である「理事会」が解決方法を決めて、それを居住者に提示するプロセス提示です。これは反論に対し、対応が出来る自信があるときに使うことが出来ます。この手法はいわゆる「共和主義」の考えですね。ただ、総会運営は民主的に行うべきで、やはり総意であることの浸透は重要です。

このプロセスのポイントは、

l        理事会が強いリーダーシップを発揮できる体制、人員で構成され

l        かつ、居住者から既に信頼されている場合に適応。

このような優秀な理事会の陥りやすい問題は、情報開示の不徹底である。優秀なリーダーは自分の方針が正しいかどうかの確認を怠ってはいけない。常に支持率に留意し、自分達の方針が信任を受けているかどうかの確認を行う必要があります。具体的なプロセスはこのファイル を見てください。

解説

この運営は、「基本」に比べると浸透を簡略化し信任を得る行動を行なうだけに留めている。理事会主導の管理組合運営が可能でも、常に管理組合員の反発、理事会メンバー内でも反発を注意する必要がある。

l        理事会で考えた解決方法、解決策に同意を得られるようにして居住者への問題点の共有化を目指す。

l        常に理事会はリーダーシップを持った対応をしている姿を見せる。

l        アンケートは証拠を残すために必ず作成する。

l        アンケートはYesNo形式での回答をリード。筋書きがあるアンケートは不満を吐き出させるための意見欄を必ず設ける。

l        このプロセスは基本と違い理事会で決めたことを開示することを目的とするために、回収率はあまり重要としない。

しかし、自分たちはリーダーシップを発揮できると勘違している場合はどうすべきか。実際にリーダーシップを発揮していると思っている人たちは気づきようがない。理事会メンバーで突出した意見を述べ、強く自己の主張を行う人たちの存在が問題となったら、他のメンバーは彼らと理事会では意見を戦わせるのは避け、理事会の和を壊さないように、居住者へのアンケートをとる方向に持っていく。あとは、アンケート結果で再度議論を行なえばよい。

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2006年5月20日 (土)

マンション管理運営フロー「基本パターン」

この方法は、消極的であっても理事会が一定の活動を行っている場合を想定しています。積極的に行っている理事会の場合は、次回以降説明する方法で考えてください。フローはフロー図 添付pdfファイルで見てください。

ポイント
 理事会内解決策を見つけ出すのではなく、居住者へ問題の共有化を目指す事。
 問題が住民間に拡大する前に対応をする。スピードが大事。
 共有化は、「アンケート」。そして、必ず回答をもらう事。
 理事会は、管理組合の執行機関に徹する事。

掲示・回覧・配布では、すべての居住者が読まないため、問題の「共有化」は困難です。必ず「アンケート」をとりましょう。そしてアンケートはYes、No形式での簡単に回答できるようにしてください。この方法は、理事会で最初から解決策を提案する必要がないので簡単だと思います。
理事会は、管理組合の執行機関として、「管理組合総会等」で決定したことに対して執行することに徹し、判断は区分所有者の総意に基づいて決まる仕組みとします。理事会は、リーダーシップを取るよりは管理組合のサポートに徹した方が、区分所有者に管理組合員の一員としての自覚を促すことにもなりますし、日本の現在の管理組合体制は民主主義が基本であり、この方法は区分所有者の理事会への不要な争いを防ぐことが出来ます。そのため、「結論が総意である」ことを区分所有者に主張することが重要(=90%以上のアンケート結果を集める)となります。この共有化マネージが理事会の重要役割と考え、例え世帯数が多くても諦めずに行ないましょう。そして、この活動を行うだけでも、居住者の理事会へ信頼度が増します。しかし、この方法の最大問題は、組合員の総意が必ずしも正しい選択ではないことである。もし、意図に反した結果となっても、完全民主主義を取っている限りやむを得ないと考えることが重要です。
アンケートを集めるコツは回収期間を1週間以内に留め、未提出者には速やかに、提出のお願いを「居住者の名前」を記載して再投函する。お願いを繰り返すことで、組合員であることに自覚を促すことにもなります。これで、90%のアンケートを回収できます。是非、試してください。

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2006年5月14日 (日)

マンション管理運営フローと事例研究

マンション管理運営フロー

今まで内容を踏まえ、マンショントラブルのマナーに関する問題が生じたときの対応プロセスを提示してみたい。

マンション毎に管理組合、理事会の運営状態はそれぞれであろう。理事会運営で大事なことは、「問題解決の近道は、情報の共有化とそのスピード」である。今回提示するフローは、マナーに関する問題だけへの対応ではない。マナートラブル解決の一般的なプロセス提示(以下基本プロセス)ではないが、基本プロセス以外に、管理組合運営状況にあわせた補完プロセスも必要と考え、以下の2つも提示してみたい。

        強いリーダーが存在している場合

問題なく物事が運ぶことが多いが、一方拗れると問題解決が困難になる。行き過ぎをチェックする体制のプロセスを提示してみたい。(以下 リーダーシップ抑制補完プロセス)

        理事会が成立していない場合

もっとも問題となる理事会を成立させるプロセスを提示してみたい。

これは基本プロセス適応の前段階と考えられる。(以下 理事会召集補完プロセス)

それでは次回から順番に説明していきます。

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2006年5月 4日 (木)

マンションでのトラブル発生時の理事会運営手法

理事会で解決方法、解決策を頑張って見つけ出すのではなく、区分所有者への問題点の共有化、問題が拡大する前に対応することが重要である。無理をして自分達だけ考える必要はないのである。謙虚に皆さんの意見を聞きましょう。

しかし、掲示・回覧では問題の共有化は簡単にできない。アンケートを取り、その問題を一度、居住者に考えてもらうプロセスが大事である。これで居住者の頭に入れること出来る。

皆さんは執行機関である「理事会」が解決方法を見つけ、それを区分所有者に提示するのがベストと考えるかもしれないが、それは反論に対して、明確な対応が出来る時にし、また、行ったとしても選択肢としての提示することで、区分所有者の理事会への不要な不信感をなくすべきである。

アンケートをとるときは「投票のパラドックス」を考え、総会運営を民主主義的に行うには、総意の浸透が重要である。理事会が独断で行っているのではなく、総意で決めたイメージを持たせることが重要である。

世帯数が多くて時間が掛かっても諦めずに行う。提出期間を1週間以内に留め、未提出者には速やかに提出を、区分所有者名を記載してお願いし、区分所有者であることの自覚を促す。アンケートをとると、必ず反体制派からの抗議ある。それには、彼らが少数派であることを、アンケート結果等で数字で訴えかけるのである。

大事なことは、「理事会ですべての解決方法を考える必要はない。」ことだ。

理事会は管理組合の執行機関であるが、「管理組合」で決定したことに対して執行することに留め、判断は総意に基づく様に管理組合員としての自覚を促す方が効率的な運営である。

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2006年4月29日 (土)

理事会メンバーのパターン分析

さて、管理組合運営に参加したくないのに、輪番、くじ等でやむなく、理事会メンバーとなる人々がいる。また、そうでなくても積極的に参加してくる人もいる。彼らはどのような行動を取るのか、マンション管理組合理事会の参加者の分類をしてみた。

理事会での合意形成が困難になれば、当然区分所有者全体の合意形成はさらに不可能である。区分所有者とほぼ同じだが、大きく分けて、①積極的に参加する人、②やむ得なく参加する人③文句しか言わない人(混乱型)④全く参加しない人(無関心型)の四パターンに分類できると思われる。

①についてだが、更に権力志向型、ボランティア型の2パターンに分類できる。区分所有者の分類でも書いたが、積極的な人には実は権力・地位への欲求が強く、社会的地位以外に興味がない人もいる。理事長は、管理会社のフロントマンや管理員に指示や命令を出すことが出来る。これは権力志向型には魅力的なポジションである。もし、彼らがマネージング能力にも長けていれば問題はないが、大概は不足している。ところが、区分所有者からは面倒な仕事を引き受けてもらえるありがたい存在であり、一部の区分所有者が彼の行動に疑義を感じたとしても、事実上選挙が行われないため、彼は長老のように理事会に居座ってしまい、彼以外に知識が無い理事会になってしまう可能性がある。区分所有者も出来るだけ自己の負担を減らすために、能力の如何よりも活動に時間を割いてくれるこのような人物に頼ってしまいがちである。そして、彼は管理組合の全権力を握ってしまうことがある。これは、詳細な業務知識が必要となる自主管理マンションに起き易い。実際には積極性と能力は比例しないため理事会運営では揉め事を起こし、対居住者間のトラブル解決ではかえって問題を大きくする事も多い。彼らは、自己の信念への固執が強く、 正しいことへの信念≠ 区分所有者の満足であることが理解できない人も多い。

一方、似ているがボランティア型がいる。彼らは社会的名声を求めているタイプである。無報酬でも組合員からも職務の大きさから尊敬されることに喜びを求めるタイプであり、非常に貴重な人材であろう。

次に②のやむなく参加する人は、区分所有者の項で書いた通り、重要なメンバーに成り得る可能性を秘めている。問題は彼らが理事会に参加せざるを得ない状況にすることである。

③文句しか言わない人(混乱型)は、通常は自己の利益の主張のみなので、他人を説得できないことを知っており、皆の前では意見を述べることは案外少ない。また、意見しても良識派にあっという間に論破されてしまうので、何れ理事会には参加しなくなる。ただ、あまりにも他の理事会メンバーが頼りないと、彼の自己の利益を求めるだけの理事会になってしまう恐れがある。

④全く参加しない人(無関心型)は、管理運営(理事会運営)は暇な人が好きでしていると考える。一見、②のやむなく参加する人と区別がつかない。しかし、継続的に参加要請等を繰り返すと、②との違いは明らかになる。彼らは、管理組合運営とは、「自分の財産を自分で守る」であると言う考えはなく、また、脅かされるはずが無いと考えているのであろう。しかし、参加しなくともよい現制度は彼らに有利(フリーランチが存在している。)であり、今後ますますこの層が増えていくことになろう。

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2006年4月15日 (土)

マネージング能力の重要性

問題が起きた時の仲介者にされてしまう理事居住者であり、その問題の「当事者」にされてしまうかもしれないし、対応を誤るとその職を辞めてもそこに居住しにくくなってしまう。場合によっては、訴訟されるリスクさえもある。ところが、この仕事は基本は無報酬(15年調査『役員報酬』では78%が「報酬なし」)である。

管理組合が活性化しているかは理事のマネージング能力で決まる。しかし、そのマネージング能力は「会社経営に匹敵する能力」を要する。先にも述べたが予算規模は通常のマンションでも中小企業並み、数百世帯が居住するタワー型マンションは大手企業に匹敵する規模となる。

本来居住者は、マンション居住者の中にリーダーとしての素質がある方がいれば、「管理組合の経営者」として雇うぐらいの意識を持つべきであろう。この業務を無報酬で行うにはリターンとリスクが見合っておらず、能力ある人が継続的にはおこなうことは困難である。もちろん、ボランティアとして積極的にマンション問題に取り組む人は多い。そのようなマンションは非常に恵まれたマンションであり、他の居住者はそのボランティアに支えられマンション生活をエンジョイしていることを肝に銘じる必要があろう。

区分所有者にリーダーがいなくても、管理会社のフロントマンが非常に有能で理事会を居住者の立場でリードしている場合もある。

これは、『管理状況全体の満足度』の満足の理由が、「管理組合役員が熱心」、「管理会社が良い」、「管理人が良い」となっており、リーダーが理事だけでなく、管理会社のフロントマンや管理員(管理人)である場合も多く、彼らが問題を解決するために努力を行っている成果である。快適なマンションライフを送るには、別に区分所有者がリーダーである必要はないのである。

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2006年4月 8日 (土)

マンション管理組合理事会-「特殊なコミュニティーのリーダー」-

マンション生活を豊かなものにしていくには、専用部分にあわせ、共用部分での生活を如何に快適なものに出来るかに掛かっていよう。よって、共用部分をマネージする管理組合理事メンバーの能力が重要になる。

コミュニティーのリーダー、例えば市長候補は、自らの立候補でそのコミュニティーに対する考えを持ち、それをコミュニティーの参加者に評価してもらう機会がある。また、町内会のように既にそのリーダーの人物像、保持している権力を十分理解し、推薦といった形で選ぶのが普通である。

しかし、管理組合の結成は半強制であり、「コミュニティーとしての成立が不自然」であることは既に述べた。つまり、リーダーを選び出す素地すら整っていないのである。リーダーがどのような素性かも判らないし、マンション運営は独特な知識が必要であるのに、ほとんどの参加者全員は知識がないまま、ノウハウ0からの出発となる。

次回は、理事のマネージング能力の重要性について説明します。

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2006年4月 1日 (土)

居住者が求めている「管理組合」と「理事会」機能

 居住者から見て「管理組合」に何を期待しているのかを推測してみたい。

()  居住者が求めている「管理組合」の機能

 通常の管理業務に加え、管理組合に自治会のような「コミュニティー推進の役割」を求める人たちは多い。「皆が仲良く暮らし、助け合って生きていくこと」は万人の願いであろうが、個が重要視される近年ではその質・量のバランスを取るのが難しい。また、大規模マンションで無い限り自治会用の執行部を設置するのは難しく、その役割を果たすのが「理事会」となるため、輪番制が主体のメンバーでは負担が大きすぎてワークしないことが多い。

()  居住者が求めている「理事会」の機能

 居住者の目は案外厳しい。適切な維持管理執行、管理会社・出入り業者への監督等や、居住者間のトラブル解決、居住後の販売会社との交渉等も求められる。居住者自身が解決できないことや不満の捌け口として理事会にその役割を求めるのである。

理事会方式の歪み

 今まで書いてきたように、区分所有法では業務執行者としての「理事会」を規定している文言はない。条文上はすべて「管理者」となっている。

行政指導に従って「理事会」方式を取っても、標準管理規約では法との整合性を持たせるために、理事会の長である「理事長」を「管理者」と定義している。

筆者はマンション管理問題の大部分はこの「理事会」方式の管理組合活動にあるのではないかと考えている。

そこで、ここでは、まず「理事会」方式のメリット・デメリットを考えていきたい。

()    管理組合理事会方式のメリットとデメリット

管理組合「理事会方式」は、(集合体である)区分所有者が管理運営を行うには、「管理者」という一人の執行者よりも、理事会を作り集団体制で行った方が仕事の分担等が図れ、かつ多数の意見を聞いたうえでの方針決定が行えるため、「管理者」が一人で決めるよりもリスクを抑えるのに適した方法といえよう。

また、15年度調査『役員就任への対応』を見ると「順番なら引き受ける」が68%となっている。これは、輪番制であれば理事会活動に参加するとの裏返しとも言えよう。役員を一度でも行うと管理組合活動に若干でも理解を深めてもらえるチャンスとなるので大きなメリットがある。

しかし、最大のデメリットは、同時にこの輪番制での理事での運営であると思われる。

15年度調査『役員選任方法』を見ると、69%が「抽選・順番で選ばれる」となっている。輪番制では理事会運営ノウハウが残りにくく、管理会社主導の運営になりがちである。また、先送り体制蔓延しやすい。

その上、居住している区分所有者が理事になることが、管理規約上一般的であることから、賃貸化が進んだマンション、区分所有者が高齢化した場合やリゾートマンションでは理事になる人が不足している。そこで、賃貸借人でも理事になれるように規約を改正しているがそれこそ本末転倒である。マンションは自治会ではないのである。「区分所有者」の集まりなのである。

15年度調査の『組合運営の将来の不安』を見ても「区分所有者の高齢化」(45%)、「住宅の賃貸化」(21%)と高い数字が出ている。また、そもそも『組合への無関心層の増加』41%も区分所有者主導の理事会方式の問題点となっていこう。このようなデメリットが内包している「理事会」体制は本当に適切なのかと思えてくるのはわたしだけであろうか。

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2006年3月18日 (土)

「理事会」、「管理組合」の機能問題点の実態

  • 管理規約の「理事会・理事」と区分所有法「管理者」について

ところで、皆さんはなぜ、マンション管理方法が、「理事会方式」で行われていることをご存知だろうか?区分所有法を読んだ方は不自然さを感じた方も多いのではないだろうか。

実は標準管理規約では「理事会(理事長)・総会」方式、一方、区分所有法では「管理者・集会」方式となっている。区分所有法では、「理事会」を謳っているのは法人化した管理組合である。

そして、15年度調査『管理規約で定められた管理者』で見ると87%が「管理組合の代表者」=理事長となっており、実際のマンション管理は行政指導で理事会による方式を採用していることが多い。

  • マンション管理適正化法においての「理事会・管理者」の採用

平成1212月8日に公布された「マンション管理適正化」法第三条にて管理組合によるマンションの管理の適正化に関する「指針が定められることになった。

この指針の-「2.マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項」の2.管理規約の項で

管理組合は、建物の区分所有等に関する法律に則り、「中高層共同住宅標準管理規約」を参考として、当該マンションの実態及びマンション区分所有者等の意向を踏まえ、適切なものを作成し、必要に応じ、その改正を行うことが重要である。」-となっている。

つまり、今まで単に行政指導であった「理事会」方式を、「中高層共同住宅標準管理規約」を参考に管理規約を設定することが「指針」で決められたことで、区分所有法の改正でなく他の法律の指針で「理事会」方式を正式に認知させる回りくどいことをした。(次回に続く)

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2006年3月11日 (土)

マンション管理維持の特殊性

マンション管理のポイントは、共用部分の維持・修繕管理であり、高度な専門的知識が必要である。戸建も維持管理は必要だが、構造自体が複雑ではないので、マンション特有なものと考えられる。

平成15年度調査『マンション選定時の建物維持管理に対する考慮』を見てみると、「あまり考慮しなかった」「全く考慮しなかった」が全体の半分(49% (但し、平成12年以降に限ってみると35%に大幅に低下している) を占めていた。従来は、重要な管理体制は二の次でマンションを購入している人たちが半数もいたのである。繰り返すが、そもそもこの統計は管理意識が高い人達が回答しているのである。

「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」(マンション管理適正化法)では、維持管理やトラブル対応をマンション管理士や行政のサポートを受けながらとは言え、区分所有者に自主的な対応を求めている。かなり高度な知識と経験がなければ出来るものではないにも拘らずだ。

しかし、筆者は対応を求めても出来ない人には出来ない、しない人たちはしないと考える。結局、対応を「行わない」、「出来ない」一部の区分所有者がフリーランチとなり、まじめに行っている区分所有者が必要以上の負担を強いられるだけとなる。法律で罰金刑をつけでもしたら、マンション購入者がいなくなってしまうし、やらない人から金銭的負担をさせて解決する手段も明確には定められていない。

最近は、ホテルのような過剰なサービス(共用部分のサービス)を購入に付随している「サービス」と受け取ってしまう購入者と、そう思わせることでマンション販売を順調に行っている販売会社、-マンション(豪邸)生活の一部と思わせて、購入者に幻想を抱かせている分、販売会社の方が分は悪いだろうが-双方に責任はある。結局、これらも管理費用の高騰や管理を複雑にして、問題をおこしているのである。

そこに居住する区分所有者が、本当に求めているサービス、かつ対価が見合っているのならば問題はなかろうが、とてもそうは思えない。

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2006年3月 4日 (土)

居住者の管理組合活動の参加に関するパターン分析

さて、筆者の独断ではあるが、ここでは、マンション居住者を分類し、それぞれに分類された人たちの問題点を考え、彼らへのパターン別の対処行動を提示してみようと思う。

区分所有者を大きく分類すると、管理組合活動に、①積極的に参加する人②やむ得なく参加する人③参加しないが文句も言わない人(無関心層)、④参加もしないが、文句だけは言う人の四パターンに分類してみた。もちろんこれらは重なり合っており、変化していくものである。

 ① 『積極的に参加する人(積極派)』は、

管理組合活動には非常に重要だが、注意すべき存在である。彼らの中には、管理組合の業務よりも、予算執行の権力[1]や名誉職としての理事長に憧れてしまう者が多い。この点は、次回以降の『理事のパターン分析』で更に説明をする。

 ② 『やむ得なく参加する人』は、

管理組合活動で主導メンバーになる可能性を秘めていることが多い。彼らは無関心層の振りをしていることが多いが、実は仕事に精力的で忙しいため、プライベートな時間までそのような活動に費やされたくない人達が多い。

責任感を持って仕事をしている彼らは、管理組合活動で最も重要な能力である『問題解決能力』(後に詳細に説明)を職場で既に保持している。管理組合の重要性や問題があることを説明さえすれば、自己の財産保全のために積極的に活動参加してもらえる。

ただ、元々仕事が忙しいため、長期間の理事活動を望まないため、管理組合権力に対しても淡白となり、①に移行する人も少なく、管理組合活動には適任の層である。本を書いて、インターネットでホームページを作ってしまうような管理組合運営のプロも大概は、最初は興味がなかった人が多いように見受けられる。

 ③ 『参加しないが文句も言わない人(無関心層)』は、

管理組合活動においては『最大の協力者』となる。彼らは、普段は理事会に100%委任することが多い、理事メンバーは、彼らから委任を得られるような適切な情報提供を行うことが重要であろう。無関心層であるものの、彼らの生活を脅かしてはいけない。この層は一般的には、賃貸マンション生活(アパート)の延長で分譲マンション生活を考えており、自分に害が及ばない限り(集会等には参加しないが)、自己の利益に関わる時など、不満が溜まった時は理不尽に文句を言い出し始める人(④への移行)もいる。

④ 最大の問題児は、『活動に参加はしないが、文句だけは言う人』である。

基本、反体制派と考えるのがよい。彼らのパターンは問題解決に対応策がないまま、ただ、否定的な行動を取ってくる。中には意見を述べる者もいるが、自己の利益の実現を望んでいるだけで(自己所有の権利>他人との共同生活の義務の関係)見分けはすぐつく。

彼らは一見積極的に見えるが、管理組合活動に加わると大混乱を招くタイプである。彼らには、最大限の誠意を払う、それでも反対をするのであれば、あとは多数決で乗り切るしかない。

管理組合活動で最もまずいパターンは、④の彼らが横のつながりを持ち、反対運動をする場合である。100世帯程度であれば皆の意見をまとめて行動する「完全な民主主義」を行うことも可能な人数ではあるはずだが、上記の④のような人達もいるため、純粋な「民主主義」は成り立たず、「共和主義」的な一部のリーダー(=理事会)が、管理組合を引っ張っていくのが理想ではないかと考えている。この点も後で説明したい。


[1]中程度の管理組合でも年間予算は中小企業並みの予算規模がある

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分譲マンション生活は「特殊な生活の場」 その5

– 「自分が当事者になるリスク」である。-その5

町内会等でも役員は揉め事の仲介者になることは多いと思われる。同じような役目はマンションションでは理事が担うことになる。町内会の役員は、地元の有力者であることが多いのに比べ、マンションは、ほとんどが輪番等で選ばれたただの人たちである。町内会の役員は、その地域での権力を既に保持しているのに比べ、理事は何の権力ももっていない

深入りすると当事者たちに逆恨みを受ける可能性がある。

そして、自分が居づらい状態に陥る。もしかすると、マンション生活の中心である家族がいやな思いをする羽目になるかもしれない。

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2006年2月25日 (土)

分譲マンション生活は「特殊な生活の場」 その3&その4

その3– 「共用の概念」-

3つ目の特殊な部分は、『共同の財産を区分所有法といった特殊な形態で住居を所有していること』である。「自分の物であって自分の自由にならない」形態に入居後混乱する居住者が多い。民法の特別法である区分所有法は、マンションのための法律であるが、海外でも共有の概念は特殊であり、日本と同じく問題は生じている。さらに日本では建物に『専有部分』という概念を使っているため、言葉の響きから誤解が生まれ、居住空間では『自己の権利が100%主張できる』と考えている人が多いのではないだろうか。

その4– 「問題解決者の不在」-

賃貸アパート等で問題が起きたときは、賃貸管理者が責任を持って対応を行うか、どうしてもだめな時は、居住者が新しい住居に移ることで解決することが可能である。しかし、購入した分譲マンションからは、簡単に転居は出来ない。その上、分譲マンションの場合、問題解決は管理組合(=自分)で対応しなければならない。そこで、多くの人たちは、管理組合理事会(管理組合≠自分と思っている)に対応を求めたり、業務を委託している管理会社にその役割を求めようとする。管理組合の執行機関である理事会は、大概は輪番制等の理事であり、出来るだけ自身の担当年度のときは問題を先送りするか議論しても結論がでないことが多い。一方、管理会社は(管理員、管理会社のフロントマンの次第ではあるが)、居住者間での解決を求める。他人任せでは何も変わらないのである。

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2006年2月19日 (日)

分譲マンション生活は「特殊な生活の場」 その2 上下階との関係

さて、今回は、マンションでよく問題になる「音」について考えてみよう。

昭和30年代から急速に団地という集合住宅が作られ、昭和49年にいわゆる「ピアノ殺人事件」が起きて、初めて共同生活での音の問題がクローズアップされた。

この事件以降、建築上、音響問題の対応がなされるようになった。つまり、この問題が起きる以前は今のマンションとは想像がつかないほど音の問題は大きかったはずである。

ところが居住者はそのような環境下でも、ルールもないままお互い気遣いを持って生活を行っていたのである。これは、日本では長屋といわれる壁一枚で隣と接する生活形態が一般的に存在しており、戸建であったとしても木造住宅で、生活騒音問題が一般的に起きていた。現在でも、分譲マンションで生活を始める前には居住者の大部分はアパートのように、分譲マンションより明らかに騒音等の問題点を多く抱えている集合住宅での生活を行ってきたはずである(マンション居住者の入居前調査『入居前の住居形態』でも6割超の人が共同生活をしている)

しかし、分譲マンションで生活を始めると、上下、隣近所への音に対する思いやりの概念が薄れるようだ。もちろん音へ間違ったイメージを持たせる販売方法に問題もあるが、高いお金を出して買った分譲マンションは、他の共同生活の空間とは違い「特殊な生活な場」であると居住者が考えていると思われる。従来のコミュニティーは、横のつながり(隣近所)が普通であり、否応無しに顔を合わせることが多い。警戒心を解き、仲間意識を高めるには挨拶は必要不可欠な行動であろう。ところが、上下階は、顔は見えないが生活上は騒音問題で密接な関係を持つ可能性を持っている。更に、マンションはプライバシーを守るための方策が随所になされているために、賃貸マンションやアパートに比べ、上下階の人と接触を持つ機会が低くなっている。極端な話、上下階の2人の関係は、騒音問題で文句を言いに言ったときに初めて顔を合わせるような事態、――敵対意識の芽生え――という非友好的な状況が起きた時点から始まることになる。しかし、最近までマンションは一戸建て住宅のステップの位置づけであったため、問題があっても我慢するという手段をとることが出来たかもしれない。

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2006年2月18日 (土)

分譲マンション生活は「特殊な生活の場」 その1 通過点

居住者にとってのマンションコミュニティーとは

マンションと言えば、コミュニティーとしてどう成立させるかがポイントとよく言われる。

分譲マンションの購入者の大部分は、そのコミュニティーに参加することが目的でない。しかし、実際に求められるのは、半強制的なコミュニティー参加である。そして、参加しないことに罰則規定がある訳でなく、生活の場を追われる事もなく、金銭的な負担が増えるわけではない。この様な条件で、まともなコミュニティーが成立する筈もない。

大辞林によると、コミュニティーとは、「人々が共同体意識を持って共同生活を営む一定の地域、およびその人々の集団。地域社会。共同体。」となっている。マンション居住者は、購入者としての共通の目的を持っているが、居住者としては共同体意識(共通の目的)を保有していない。偶然、同じ物件を購入して其処に集まっただけ(必要条件)であり、コミュニティーを作り上げていく目的を持つという十分条件が整っていない。

共通目的を持つ機会がないどころか、居住者の思想のみならず、顔も知らないまま共同生活を開始している。表札を掲げない上に、コミュニティー参加者である居住者名簿すら、プライバシーや個人保護法の観点から簡単に公開できない。同じ屋根の下に暮らしているのに、隣の部屋は誰かも判らない状態が、もしかすると永遠に続くのである。このような状態では、居住者皆に降りかかる大きな問題が起きるまで、居住者間に共同体意識は生まれず、ましてや一体感など生まれようがない。

コーポラティブマンションの様に建設時点から共同作業をおこなってきたメンバー間には、比較的にトラブルが少ないと言われている。これは、共同体意識を居住前に既に持っているからと推測される。

一般の分譲マンションでも居住前に自己紹介の事前集会、原始規約でなく、規約制定を義務付ける等の行政・立法からのサポートがあれば、共同体意識を少しでも持つことは可能となろう。一般的には、大規模修繕時等にマンション問題が起き、居住者はマンション管理への対応を考え始めると言われているが、平成15年度調査『総会への出席状況』の結果では、大規模修繕が行われる築10年以降であっても出席者に変化は現れない。

また、15年度調査の『永住調査(入居時)』によると、入居当初からそこに永住しようとする人は、51%と半数に達している。11年調査43%、5年調査37%と徐々に永住しようとする人たちが増えているものの、仮の住まいと考えている割合は19%、18%、23%と、バブル崩壊後も住宅双六思想が残っているか、マンション生活とは人生の通過場所「特殊な生活の場」であると考えている人が多い。これでは、共同体意識を持つ意志が不足せざるを得ない。さらに『永住調査(現在の考え)』では永住するつもりの割合は48%と入居当初とほぼ同じであるが、仮住まいと考える人は、26%と入居時から増加している。マンション生活してみると不満を持ち始める人が多いのではないかと思える。

-次回に続く 次回は「騒音」についてです。

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2006年2月11日 (土)

分譲マンション管理の現状-トラブルの現状 その2-

さて、皆さんに使用細則を調べてみましたか?それでは、それらのルールの違反者への対応が、どうなっているかを調べてみましょう。

居住者側の調査共同生活を乱す行動への対処方法(重複回答)』を見ると、軽度の違反行為の場合、「管理組合からの口頭又は文章での注意」が一番(93.1)である。一見、自主性があるかの様に思えるが、皆さん!自分に置き換えてみて下さい。「管理組合から・・」とは、「管理組合」の執行機関である「理事会」での対応を望んでいませんか

当事者としてそのようなことに関わりたくないと考えておりませんか?自分の家のことならば、自ら注意をすれば済むことなのに......。

実は、この調査は、前回の11年度調査では、回答項目が異なり、「管理組合の集会での対応」が34%、「管理人からの注意や当事者間で解決」が24%であった。今回は質問が「管理組合からの口頭又は文章での注意」に集約されてしまったので解釈は難しくなったが、本質的な事は変わっていないと思う。

また、管理組合理事会側の調査も『使用細則・協定等違反の是正措置』をみると、3割弱の管理組合が違反者への対応を何ら講じていない。繰り返すようだが、この結果はこのアンケートに回答している管理組合は、「理事会」がちゃんと活動しているマンションなのである。それでもこれ程のマンションが対応できていない。如何にマンション生活でデリケートな問題かという証左であろう。

さて、ここでマンション生活における「20%の不満者の存在」の重要性について説明しておきます。

私の経験では、新居住ルールの設定(資金負担がある場合)の居住者アンケート調査時にはまず2割以上の反対が起きることが多い。どんなルールであっても、「生活が規制されてしまう」ことに変わりないからであろう。総会での規約改正は、3/4の賛成で可能であるから25%までの反対があっても可決できる。ただ、これはあくまでも法律的な議論である。

同じ場所で暮らすメンバーである限り、事実上の全員一致でなければ将来に禍根を残すから注意が必要である。如何に20%の不満者を説得して、反対者0に落とせるか、少なくとも絶対反対者を無くすことがポイントである。

それは実際にマンションに住んでいる人たちは理解している。『管理状況全体の満足度』の「管理がうまくいかない理由」の最大理由「一部の居住者の協力が得にくい」(57.7%)となっている。

さて、ちょっと真面目過ぎるかもしれないが、マンショントラブルの行政・立法の対応はどうであるかも調べてみた。他のトラブルに比べると直接的な対応は少ないが、以下の2つの法律が変化の兆しとも言える。

() マンションの管理の適正化の推進に関する法律

この法律で、マンション管理士という、管理組合の運営や管理についての相談に応じる資格を作ったこと(第二条5)、区分所有者は管理組合の一員として役割を果たすようにと「管理組合等の努力」を謳った(第四条)こと、国及び地方公共団体が適正化に向けて措置を講じる努力をすること(第五条)、マンション管理業としての登録制度、また管理業務主任者資格制度が導入され、基本的な知識を持った人材の確保が義務付けられたこと(第四十四条、第五十六条)が大きなポイントとなる。この法律が対応したことは前述のトラブルの③マンション管理業者への対応であり、本テーマである居住者間のトラブルへの対応である部分は、区分所有者の管理組合へ参加すべきという法的な罰則もない努力目標の設定となったこと、管理組合の相談相手になるはずだったマンション管理士制度も法律上も中途半端な制度となり、管理組合の役に立つような制度になっていないのが実情である。ただ、地方公共団体の適正化に向けての努力は積極的に行われており、管理の問題点が社会的に浮き彫りされているように思える。

() 区分所有法の平成15年改正

この法律改定では、建替えを実行する上で十分に対応できなかった部分と現行法では適正な管理を行う上で問題になる点を修正するのが目的であったが、関係する部分として、「管理組合」の法人化についての要件は緩和された。しかし、区分所有者の管理組合の義務強化等、居住者間のトラブルを解決する方策は特に盛られていない。

次回は、「分譲マンション生活は「特殊な生活の場」について書いてみます。

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2006年2月 4日 (土)

分譲マンション管理の現状-トラブルの現状-

テーマを明確にするために、マンショントラブル概要と、行政・立法からの対応も含めた現状を、まず簡単にまとめることから入りたい。

5つのトラブルの概要と現状

①建設時とのトラブルには、「地域住民との日照権」、「騒音問題」等のトラブルである。最近の例では、「江東区のマンション建設制限」や、「国立のマンション高さ制限」が挙げられる。次に、②販売・建設会社とのトラブルは、「青田売り」等の購入者の権利を十分に守られない販売方法(図面とは異なるモデルルームを見せての販売手法)や居住開始後の「瑕疵問題」、これらは、2000年4月に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」で解決が図られてきたはずであったが、昨年の耐震偽装問題で再び問題になっている。

本テーマと関係が強い③「マンション管理業社」とのトラブルは、管理会社の不正会計等に見られる管理業者としての「不適格の問題」である。管理会社と区分所有者とのトラブルは本テーマの範疇であろう。居住者間トラブルを防ぐには管理会社をどう使うかが重要なポイントとなるからである。この問題は、2001年施行の「マンション管理の適正化の推進に関する法律」が制定に伴い、問題解決の第一歩が踏み出された。

次に、④修繕・建替え問題である。昭和40年代から本格的に供給されたマンションが、築30年に達し、修繕だけでは維持が困難な時期に差し掛かっていた時に、阪神大震災が起きた。この時倒壊したマンションを建替えしなければならなくなったが、当時の法律では建替えが困難なことが判り、一気に社会問題になり、行政・立法の対応が行なわれてきた。不動産調査会社によると2002年4月時点で築30年を超えるマンションは三大都市だけで6,500棟(215,000戸)となっている。これらの問題は、2002年6月に成立した「建替え円滑法」や「区分所有法」の改正が行われ、対応がかなり進んできている。

さて、最後に本テーマである⑤「居住者間のトラブル」から起きるマンション問題に入る。

このテーマが重要であることを裏付けする「平成15年度マンション総合調査」(http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/07/070225_.html)からこの問題を解説しよう。

この調査ではマンショントラブルの大部分を占めているのは『居住者間の生活のマナーをめぐるトラブル』であり、マンション全体の83%で問題になっている

居住者の立場となれば、将来の建替え問題より、このトラブルの方が差迫った大きな問題である。マンションは、多数の居住者間の合意での運営が前提のため、居住者の常識の程度差により、トラブルが発生する。これだけ問題になっているのに、あまりにも他の問題(①~④)が社会的な大問題であったことから、この分野の対応がほとんど行われてこなかった。

また、同調査の『管理がうまくいっている理由』を見てみると「管理員が良い」、「管理組合役員が熱心」と「管理会社が良い」が大部分を占めている。一方、不満のトップは「一部の居住者の協力が得にくい」である。

居住者間のマンショントラブルは、主に共用部分のルール違反が原因となっているが、それではルール作りをすれば解決するはずである。しかし、『居住者ルールの取り決めに対する意向』を見ると、最小限のルールを全マンションで事前に作っておくことに70%が賛成しているが、20%は居住者が独自にルールを考えるべき、5%は不要と、考えている。

これらの人たちは、「共同生活でのトラブルは、同じ原因ではないと考えていること」か、「自分だけは特別でルールが無くとも上手に付き合う」と考えているのである。3割近い人が、事前のルール作成に反対する可能性がある中では、基本ルールを標準管理規約の様に分譲当初から作っても問題解決には簡単にはつながらない。販売後のトラブル多発の結果によって、最近のマンションでは分譲段階で主な居住ルールを作るようになっているのだが、筆者の経験では、ルールを知らない、そんなルールは無効であると言う者や、分譲段階の営業マンのいい加減な説明により事前承認を得たと言って、これらのルールに従わない者やさらには、注意をしている者に対して感情露わにして怒り出す人も多い。

ちなみに、マンションに住んでいる皆さんも自分のマンションのルール(使用細則)をどれだけ知っていますか?

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2006年1月29日 (日)

マンションでのトラブル解決方法 -はじめに-

マンション・コラムを幾つか書いてきましたが、そろそろ本題に入ろうと思います。

マンション管理は問題が色々あり、それは社会問題として広がりつつある。日経で取り上げられていた「マンションは誰のもの」はその最たるものであろう。しかし、実際にはマンション問題でも建替え問題等の社会的に問題になっている分野は近年、法的な対応が行われつつあるが,居住者の身近な関心は、「居住者間のトラブル」であろう。

マンションでのトラブルは、①建設時トラブル②販売・建設会社トラブル(⇒耐震偽装問題)③管理会社トラブル④修繕・建替えトラブル⑤居住者間トラブルに分類できる。もっとも解決が難しいと思われる⑤から起きる問題をテーマとしてこの【カテゴリー】を作りました。

「マンション管理の適正化の推進に関する法律」が作られ、管理組合自ら考える必要性が高まり、態勢整備、居住者間の合意形成や、管理組合内外との交渉能力が必要とされてしまった。しかし、「適正化法」が法的に対応したことは上の③であり、⑤は、「居住者は管理組合へ参加すべき」という努力目標となっており、目玉であったマンション管理士制度は中途半端な制度になっているように思える。

法律制定によるやるべき論を掲げても何も変わらない!それよりも居住者が本当に求めていることを考え、提案してみたい。

例えば、「居住者間トラブル」で矢面に立たされる「管理組合役員」のなり手問題は、他国の事例紹介や、管理者、管理会社、理事会の三権分立の管理組合運営で、不正防止とする一方、理事会は自分たちに適正な提案かを居住者代表の立場で考える方法も示していきたい。

また、改正された標準管理規約で管理組合の役割となった「マンションコミュニティー」とは何かもテーマとしていこうと思っています。

お楽しみに!

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2006年1月 4日 (水)

はじめに

生活の中で感じたこと、マンションの理事会運営に参加して得た経験、いろいろとお話させていただこうと思います。

この「マンショントラブル解決方法」は200312月に筆者が修士論文で書いたものをベースに、若干の手直しをしたものであります。本文章に書かれていることをマンション管理組合の方々がご利用されることはご自由にしていただいて構いません。

また、具体的なご利用方法について詳細を聞きたい方はコメント、またはメールにてお受けします。どうぞお気軽に!

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